老人ホームを言い換えで把握しておきましょう

老人ホームも出始めのころに比べると、サービス内容によって種類がとても増えました。一言「老人ホーム」と言っても、公的施設、民間施設があります。その中でも老人ホームの種類によって、入居条件やサービス内容が変わってきます。

今すぐ検討したい人や、将来のため把握しておきたいという人も、どんな老人ホームがあるのかは、一度確認しておきましょう。

公的施設としては、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院、ケアハウスの4つがあります。民間施設としては、介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、グループホームがあります。

合わせて8種類もの老人ホームがあることになります。1種類だと思っていた方は、すぐに認識を改めましょう。

なぜこれほどまでに種類が増えたかと言うと、介護保険法の改正や提供サービスの多様化が要因の一つにあります。日本は今後少子高齢化が加速する傾向にあり、それに備えた社会システム作りは国も力を入れている状況です。

又、今後増えるであろう高齢者に対して、施設数及び施設に従事する職員数が圧倒的に足りないといった状況も、ほぼ確実視されています。そのためなるべく、「家族や親類、地域で面倒を見ていきましょう」という、インクルージョンという考え方が、一般化しつつあります。

それに伴い、ホームへの入居条件の見直しがあったり、サービス内容が一部変更になるようなことも一因かもしれません。一方で、経験や研究の進歩による福祉分野の考え方の変化も、種類を増やす一因となっています。

老人ホームはそれぞれに特徴があるので、入居者と施設の条件やサービスを事前にマッチングしておくことが大事です。入居条件により、「希望していたのに入居できなかった」ということがないよう、しっかりとポイントを確認することです。

チェックしておきたいポイントとして、①入居条件②介護、看護、医療等の各サービス③入居及び利用費用は大事です。どの施設を利用するとしても、面談や審査はありますので、面談の際などにも、気軽に質問や問い合わせもできます。

市役所など行政機関には相談窓口がありますので、介護などが必要だと感じた際は、積極的に利用するといいでしょう。介護保険を利用するとなると、行政機関には少なからずお世話になります。また、施設のほうも事前に問い合わせればほとんどの所で見学が可能です。

実際見てみるのはやはり大切なことです。できれば職員さんとお話ができれば、不安なことや分からないことなど、どんどん質問して正しい知識を増やしていけます。特に見学は、じかに雰囲気を感じることができますのでお勧めです。

入居希望者の状態や希望によって、いくつか選択肢があります。たとえばグループホームなどは、認知症の人しか原則利用できません。特別養護老人ホームは、判定で要介護3以上の人しか利用できない、といった特徴があります。

「安くてサービスがいいところがいい」など、自分の希望だけでは探すことが難しい状況があります。傾向として専門的なサービスを受けられる状況が高い施設ほど料金が高めになります。このあたりは専門の相談員さんに、事前に相談確認ができると思います。

実際に入居希望者がどんな状態なのか、それによってどんな施設を選択肢に入れられるのかを、まずは確認しておくことが選び方としては適切です。簡単に特徴を紹介しておきますと、介護付き老人ホームは、介護度に応じて定額で介護サービスを受けられる、認知症対応や「看取り」といった幅広いサービス内容に特徴があります。《参照元|老人ホーム 紹介|ウチシルベ

住宅型有料老人ホームは、比較的自立をした人が対象で、サービスをある程度選択できるといった自由度に特徴があります。サービス付き高齢者向け住宅は、入居費用が安いといったところや、安否確認や食事の提供もしてくれます。

グループホームは、その施設がある同一市区町村に住民票がある人でないと入居できないといった特徴があります。ケアハウスは、低所得で独居生活の高齢者を対象としていて、一般型と介護型の2種類あります。特別養護老人ホームは、入るまでの待機時間が長いところが多いといった特徴があります。

介護老人保健施設は、在宅復帰を目的としたリハビリを行う施設という点に特徴があります。介護医療院は、長期的な医療サービスが必要な人向けの施設です。

ある程度自立して活動ができたり、介護度合いが低い人には、サービス付き高齢者向け住宅や住宅型有料老人ホームなどがお勧めです。こちらの施設は入居費や利用料といった費用が、他の施設に比べリーズナブルであることが多いです。

本格的に介護が必要になったときには、介護付きや特養といった施設に移転といった施設の住み替えも可能です。

住宅型有料老人ホームは、完全に自立している人からある程度の介護が必要な人まで、幅広く入居している施設です。この施設ではサービスを選択できますし、イベントやレクレーションなどが充実しているという特徴があります。

また施設によってはサービスを受けるにあたって時間や場所、受ける側の自由度が低い施設もありますが、住宅型は自由度が比較的高めです。

まずは、健康型有料老人ホーム。こちらは充実したシニアライフを送りたい人向けの施設です。老後の生活をエンジョイするためのサービスが非常に充実しています。逆に介護が必要な状態になると、利用できなくなることもあります。

次にシニア向け分譲マンション。高齢者が快適に生活できるようバリアフリー化されており、ジムやカラオケなど娯楽サービスが充実しています。こちらも介護が必要になった場合は、利用が難しくなります。最後に養護老人ホーム。

特養老人ホームと似た名前ですが、まったく別の施設です。介護を目的としておらず、経済的に困っている人に向けた支援施設です。受け入れに自治体の審査が必要になります。

これまでひと括りで「老人ホーム」と考えていた方は、サービス別に言い換えてみるとその種類が多いことにびっくりされた方もいるかもしれません。ですが、多様化するニーズにあわせ、少しでも自分や家族が納得できるホームが探せる時代になってきたとも言えます。

自分で探したり調べたりするには限界がありますので、行政や福祉サービスの方に相談し、早めに知識を入れておくことが大事です。